2017年11月9日木曜日

神の筋書き

   でもカイアファはもとの仮面をかぶりなおして、訊問をつづけます。

「お前はメシアなのか?」
このとき、イエスはようやく口を開いて言った。
「なぜそのように訊くのだ。おれがメシアならどうだというのだ。おれが怖いのか。お前がほんとうに怖れているものは何だ?」

イエスに見透かされたカイアファは、内心の動揺を隠してイエスをどなりつけます。
でもイエスは皮肉な微笑を浮かべて答えます。

 「お前らはおれを筋書きどおりに抹殺したいのだろう」
  そう言うと、イエスは正面に居並ぶ裁判官たちひとりひとりを舐めるように見回した。
   それからまた口を開いた。
   「だが、お前たちの筋書きが、神の筋書きだとしたら、どういうことになるか?」

すごい発言です。つづきはまた。

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