2017年11月20日月曜日

アントニア城塞

 いよいよ9節に入ります。舞台はピラトが詰めいているアントニア城塞です。そこは神殿にくっついていて、ユダヤにとってはありがたくない所でしょうけど、ローマの軍隊がここからエルサレムと神殿に目を光らせているんです。監視塔みたいなものなのでしょう。
 
 9節の導入の描写は時代背景がわかるように書かれていて、いろいろと教えられます。でもここでは割愛します。ぜひ小説よんでみてください。
 さてイエスは、アントニア城塞の中庭(舗床の庭)に連行されてきます。そこで祭司長がローマの兵隊に用件をつたえます。その間しばらくそこの情景が描写されます。ちょっと引用してみましょう。

 「舗床の庭」には未明の月影が、むらぬらと舗石を濡らしていた。中庭の要所々々には篝火が焚かれ、ぱちぱちと薪が爆ぜる音がした。中庭は厚い塁壁と四つの塔に囲まれていた。見上げると、各塔の上に歩哨が立ち、夜の監視に当っていた。……

 臨場感がありますね。月の光が「ぬらぬらと」舗石を濡らしているって、とても新鮮な表現でしょ。そしてカメラワークが、ぐっと塔の高いところへ回っていくのもいいですね。

 

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