2017年11月5日日曜日

シモンよ、さらばだ

 このあと、祭司はしぶしぶイエスの言葉にしたがいます。それから……

 「シモンよ、さらばだ」とユダは言って、ペトロに接吻した。
     それからシモンは、もう一度イエスを見た。イエスが、うなずいた。」

 これはひょっとしたら作者のミスかもしれません。イエスをもう一度見たのは、シモン(ペトロ)ではなくて、ユダではないかな? きっとユダは名残おしかったんです。だからイエスの姿をしっかり目に焼き付けておきたかったんでは? それにイエスもちゃんとこたえてます。


 このあとは、ユダの心境がのこされた「手記」というかたちで紹介されます。
  長いのでちょっとだけ……
「……おれは『主よ、赦してくれ』と心の中で何度も叫んだ。そのとき『お前はなすべきことを果たしたのだ』という師の声が聴こえた。……たとえおれに裏切り者の汚名が着せられようと、それはおれの本望だ。おれは地面にぬかずき、接吻した。そうしてようやく立ち上がることができた。去りゆく師とペトロの後姿を見ながら思った。これで良かったのだと……」



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