これから回想に入ります。
マルコが師と出逢ったのは師の「師」イエスが処刑された頃のことである ――
師のペトロがよく訪ねるのはマルコのお母さんが経営する旅館「マリアの家」。
ここは最後の晩餐の会場にもなったところのようです。
まだ作者は書いていませんが(ですから読んでないのですが)、この家は、きのう触れたペトロが天使の助けで脱獄したあと立ち寄ったところでもあるみたいです。
「使徒言行録」では12章12節。脱獄したあと、「ペトロは、マルコと呼ばれていたヨハネの母マリアの家へ行った」と書かれています。
話を小説に戻しますと、イエスが亡くなったあと、この「マリアの家」にペトロたちは集まって、会食したり、宴会をしたりしていたみたい。
ちょっと失礼して……
少しばかり酔いがまわると、かれらはまるで現実を忘れたかのように陽気になり、広間は晴れやかな声で満たされた。そんな時には師の口から歌が漏れた。おそらくはガリラヤ地方の民謡であろう。力強い歌もあれば、愛(かな)しい歌もあった。それを師が歌うと、味わい深い独特の節になるのがマルコには不思議であった。
素敵な場面ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿