ユダはふつうはイスカリオテのユダと呼ばれますが、小説では「カリオテのユダ」となっています。イス(イーシュ)は男性を意味するそうで、カリオテは地名ですから、イスカリオテは「カリオテ出身の男」の意味みたい。それでイスを省いて、カリオテのユダになってるんですね。カリオテはユダヤ地域の村の名だそうで、たしかに小説でもユダは「よそ者」になってます。
ユダは熱心党のシモンとも親しく(第4章では二人の緊密な関係がえがかれます ―― ご期待ください)、ガリラヤ地方の反ローマ活動にかかわっていました。そんな二人がイエスの仲間に入っているのですから、神殿派はイエスを危険人物とみなします。だからあの神殿で起こった事件をイエスの仕業にしようと企んでるんです。
でもユダがイエスに近づいたのは、反ローマ運動にイエスを引きずりこむためでないんです。ユダにはこんな思いがありました。ちょっと失礼して……
結局、神殿体制を壊したところで、それがローマを利することは明らかであった。第一、ローマとの繋がりで強固に護られた神殿体制が容易に崩せるはずもなかった。 ―― それこそ今度の事件が如実に示したことである ―― いや、そういう見通しがあればこそ、ユダはイエスにある希望を託したのであった。
どんな希望だったのか、このつづきでね。
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