第二節に入ります。
場所はヨルダン川のほとり。有名なイエスの受洗の場面です。
朝から大勢の人たちがヨハネから浸礼(洗礼)を受けようとして集まってきます。
イエスもその手伝いで、朝から大忙し。そして最後にイエスも浸礼を受けます。
この有名な場面は、どの福音書でも(マルコを含めて)ヨハネの謙遜の言葉が書かれています。マルコでは「わたしよりも優れた方が、後から来られる。わたしは、かがんでその方の履物のひもを解く値打ちもない」と書かれてます。そうして神の霊(聖霊)が鳩のようにイエスの頭上に降りてきた、とつづきます。とても厳かな場面です。
ここで共通しているのは、イエスとヨハネが深く関わっていたというのがわかることです。作者の竹内さんはご自身のブログ(2013.5.15-5.16の記事)で、「このイエスとヨハネの格差は逆に読み解くべきだろう……イエスはヨハネの弟子という師弟関係があったと思われる」と書いてます。
とても面白い視点だと思います。もちろん小説もこの視点から書かれていて、第二章全体がヨハネの逮捕から獄死にいたるまでの経過をめぐって、イエスを含む弟子たちが右往左往しながら、やがて「エッセネの園」の解散にいたるまでを語ってくれます。とてもドラマチックで、小説としても面白い展開になっています。
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