10節です。
場所は前節と同じマカイルス要塞。そこでヘロデは本妻のネシャートの居室を訪ねます。
前にも触れたように、ネシャートは隣国ナバテアの国王の娘です。これは史実のようですが、詳しいことは知りません。
物語では不倫の夫と本妻の会話が聞けます。もちろんヘロデが弱い立場であることは当然です。どういう顔して妻の前に立てばいいんでしょう。でもかれがネシャートを訪ねたのは魂胆があるからです。それはヨハネの処遇です。ヘロデはヨハネの身柄をどうすればよいか困っています。ネシャートに聞いてもどうしようもないのに、ふらふらと来てしまった。情けない人ですね。
でもヘロデの訪問は意外なかたちで「解決」されます。それはネシャートにも魂胆があるからです。彼女にはお父さんのもとに逃亡するっていう計画があるのです。ヘロデとの会話で彼女はその決意を固めます。それにしてもどんな計画なんでしょう。聖書を知ってる人ならすこし想像できそうですね。でもそのように展開するのでしょうか?
2023年5月10日水曜日
ヘロデとネシャート
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