2017年12月5日火曜日

頭の禿げた小男

 ぼうぜんと立ちつくすペトロに背後から声をかける人物があらわれます。「三十格好の、頭の禿げた小男」。誰だかわかりますか? その男がペトロに声をかけたあと、ペトロの腕をつかんで自分について来るように言います。ちょっと失礼して……

ちょうど神殿の開門の時刻だった。神殿の屋上から夜明けを告げる角笛(ショファル)の音が聴こえてきた……男は西門(コポニウス門)まで来ると、ペトロの背を突いて、かれを門外に押し出した。ペトロが振り返ると、男はくるりと背を向けて、何も言わずに去っていった。

この人、あのサウロです。ペトロとパウロの出会いが、こんなふうにさり気なく描かれているのがなかなかイイですね。
 
 

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