父母に連れられて教会に通っていたころ、礼拝の中で毎週「主の祈り」を唱えました。いまでも諳んじて言うことができます。
まえの回で引用したイエスの祈りは、それとだいたいは同じですけど、ちがってもいます。
まず「天」というのがありません。「天にまします」とか「天になるごとく」とかいうのが抜けてます。
それから「われらに罪を犯すものをわれらがゆるすごとく、われらの罪をもゆるしたまえ」というのがありません。そのかわりでしょうか、「負債を赦し給え」となってます。罪はかみさまに対する負債ですけど、小説で言われているのはもっとリアルなことかもしれません。借金とか。
それから「われらを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ」というのが簡単に「悪より護り給え」となっています。これもリアルな意味で言ってるんじゃないでしょうか? たとえばローマとか神殿の権力が対象になってるんじゃないかな?
そして最後に「国と力と栄とはなんじのものなればなり」という結びの言葉も抜けています。ですから生活に直接結びついた祈りになってます。いまの「主の祈り」とくらべるととてもシンプルです。
いまの「主の祈り」は後からいろいろと飾りをつけたものでしょうね、きっと。
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