ちょうど神殿の開門の時刻だった。神殿の屋上から夜明けを告げる角笛(ショファル)の音が聴こえてきた……男は西門(コポニウス門)まで来ると、ペトロの背を突いて、かれを門外に押し出した。ペトロが振り返ると、男はくるりと背を向けて、何も言わずに去っていった。
この人、あのサウロです。ペトロとパウロの出会いが、こんなふうにさり気なく描かれているのがなかなかイイですね。
ペトロはその一部始終を見ていた。裁判の間中、できることなら自分が飛び出していって、師とともに裁かれたいと思った。だがそれはできなかった。その間ずっとペトロの耳許で聴こえていたのは「それでは事は成らぬのだ」というユダの言葉であった。この言葉によってペトロは辛うじて堪えていた。
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『マルコによれば』第2章について書いてきました。ここでちょっとこの章について感想を述べてみます。 本章は時系列からいうと第1章(プロローグ)の前に位置します。第1章はイエスの「 公生涯 」に沿った物語展開でした。本章はその前史で、作者が想像的に描いたものですが、イエスがキリ...